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営業プロセスのボトルネックを可視化する方法とは?
「営業が頑張っているのに成果が出ない」
「受注率が低いが、どこに問題があるか分からない」
このような悩みを抱えている企業の多くは、
営業プロセスのどこかに**“目に見えないボトルネック”**を抱えています。
感覚や経験に頼るだけでは、課題の本質を見つけることは困難です。
だからこそ今、営業プロセスを“可視化”し、データでボトルネックを特定する手法が注目されています。
「営業プロセスの可視化」とは何か?
営業プロセスとは、例えば以下のようなステップに分けられます:
- リード獲得(展示会・Web・広告など)
- 初回接触(メール・架電・DMなど)
- 商談設定
- ヒアリング・提案
- 見積・クロージング
- 受注・失注
この各ステップでの通過率や所要時間を数値で見える化することで、
「どこで詰まっているのか」「どこで離脱が多いのか」を定量的に分析できるようになります。

可視化すべき主要KPIとその活用例
| ステップ | 可視化すべき指標 | チェックポイント |
| リード獲得 | 月間獲得数、リードソース別件数 | ソースごとの質の差(例:広告 vs SEO) |
| 初回接触 | 架電率、メール開封率、レス率 | 初動スピードと質 |
| 商談化 | 商談設定率、商談実施率 | スクリプトの品質、タイミング |
| 提案 | 提案数、見積提出率 | 営業提案力、商材とのマッチ度 |
| 受注 | 受注率、平均リードタイム | プライシング、競合との勝率 |
これらをCRM/SFAやスプレッドシートに記録することで、各段階の“歩留まり”が明確になります。
ボトルネックを可視化するツール例
✅ Salesforce/Senses/Mazrica Sales(SFAツール)
商談ステージの進捗や滞留を自動集計。ダッシュボードで全体の流れを一目で把握可能。
✅ Googleスプレッドシート × データスタジオ
手軽に始めたい企業向け。各ステージごとの通過率・失注理由などをカスタムで可視化。
✅ MiiTel・pickupon(通話解析ツール)
トーク内容から“商談化できない理由”を定量化。トーク時間・話速・比率などをデータで検証。
✅ BIツール(Tableau、Looker Studio)
営業プロセスとKPIを多角的に分析。部署別・商材別の傾向も把握可能。
実践ステップ:ボトルネック可視化の流れ
1. 現在の営業フローを図解する
まずは、各営業ステップを明文化。「現場が実際にどう動いているか」を棚卸し。
2. 各ステップにKPIを設定する
例:リード数/商談化率/提案数/受注率 など
KPIは“変化させられる指標”を意識して設定するのがポイント。
3. データ入力→可視化ツールに連携
最初はSFAやスプレッドシートでOK。集計・グラフ化しやすい構成に。
4. 停滞ポイントに注目する
- ステージごとに“滞留日数が長い”
- “特定営業メンバーのみ成果が出ていない”
- “商談化率だけ極端に低い”
などの傾向を発見し、ボトルネック候補を洗い出す。
よくあるボトルネックと改善アクション例
| ボトルネック | よくある原因 | 対応策 |
| 商談化率が低い | アプローチ対象の質が低い/トークが弱い | トークスクリプト見直し/MAによるスコア連携 |
| 見積提出率が低い | 提案材料が不足/見積までの工数が多い | 提案テンプレート整備/自動見積ツール導入 |
| 受注率が低い | 競合負け/価格ネック/稟議停滞 | ケース別クロージングスキル共有/提案内容の再設計 |
まとめ:ボトルネックは“感覚”ではなく“データ”で掴め
営業マネジメントは、「属人的な感覚」から「客観的な数値ベース」への転換が求められています。
その第一歩が、営業プロセスの可視化です。
- 各ステップを定義する
- KPIを設定する
- ツールでダッシュボード化する
- ボトルネックを見つけて、仮説→改善サイクルを回す
これを回せる営業組織は、再現性と継続的な成長力を手に入れることができます。