「広告」と「PR」の違いをシンプルに言い表すと、まずは「料金発生の有無」です。
目次
【広告について】
「広告」は、テレビ・web・新聞・雑誌といったメディアの広告枠を購入し、広告内容を掲載します。
広告は大きく「オフライン広告」と「オンライン広告」に分けられます。
さらに、それぞれに多様な広告の種類が存在します。
オフライン広告は、インターネットを介さずに表示される広告全般です。
例えば、新聞・雑誌、ラジオ・テレビCM、屋外(看板等)、フリーペーパー、ダイレクトメール、ラッピング車両や電車の中吊りなどの交通広告、デジタルサイネージなどがオフライン広告として挙げられます。
オンライン広告は、インターネット上で表示される広告全般を指します。
webサイトの広告枠に表示されるディスプレイ広告、検索結果画面に表示されるリスティング広告、SNS内に表示されるSNS広告、メール形式で配信されるメール広告などが挙げられます。
【PRについて】
「PR」はメディアに取り上げられやすい情報を発信し、メディアが自主的に情報を掲載します。
その際、メディアに対して料金を支払うことは基本ありません。
PR会社などへ依頼した場合はその手数料がかかります。
自社でおこなえば、基本費用をかけずに告知が可能です。
PRは伝えたい情報が発信されるかどうか、どの程度の情報が取り上げられるかは、メディア側の裁量に委ねられる点が広告とは大きく異なります。
企業がPRをおこなう際に用いる発信メディアには、さまざまな種類があります。
媒体は、新聞、テレビ、雑誌、ラジオのマスメディアが挙げられます。
また、インターネットが普及した現代では、さまざまなwebメディアもPRに活用されています。
特に注目されているのが、SNSで人気のインフルエンサーが持つ発信力や影響力です。
例えば、インフルエンサーが気になる製品やサービスを自主的に取り上げて解説すると、ファンを中心に話題となる可能性があります。
【広告を活用するメリット】
①発信する内容や時期をコントロールできる
広告は、基本的に広告主の企業が掲載内容を決定します。
そのため、新製品のアピールや自社イメージの認知拡大など、広告の目的に沿って訴求したい内容を打ち出せます。
掲載する訴求内容や活用手法、掲載媒体など、法律やガイドラインなどに従う範囲内で自由な表現が可能です。
掲載時期も、基本的に広告主である企業の裁量で決定できます。
②ターゲット層へ広告を出稿できる
広告はターゲット層を絞れるのもメリットの1つです。
例えばオンライン広告であれば、広告メディアのターゲティング機能を利用して、年齢や性別、地域、職業などの属性や、興味関心事などのデータをもとに、想定するターゲット層に対象を絞り込んで広告掲載ができます。
ターゲティングができれば、クリック率やフォーム送信数など、広告への反応率が上がるとともに、ターゲット外に対しての露出を抑えられるため、予算的に効率的な広告掲載が期待できます。
【PRを活用するメリット】
①受け手の共感を生むことができる
PRの活用で得られる大きなメリットのひとつは、情報の受け手に共感を生むことができる点です。
PR活動をせず、ただ商品やサービスを提供しているだけでは、どのような考えで事業をしているのかが消費者には伝わりません。
場合によっては、社内でさえ共有できていない可能性もあります。
PR活動をすることではじめて、企業が掲げる理念、使命、価値観、方針、社風、文化などが具体的な情報として発信されます。
例えば、高品質なサービスを通じた顧客価値創造、持続可能な社会の実現、社員の個性・自主性の尊重など、企業の強みや大事にする部分がPRを通じて効果的に伝われば、社内外を問わず内容に賛同した受け手に共感してもらえます。
②基本的に費用がかからない
社内外との関係性構築やメディアに取り上げられるPR活動は、広告と違って基本的に費用が発生しません。
PR活動では、企業が提供する情報にメディア側が価値を見出して紹介するため、情報を好意的に受け取った人々に共感をもたらします。
PRは人のつながりで情報が拡散されるので、費用が発生しないことが特徴です。
(PR会社を通した場合は前述の通り、手数料がかかります)
【広告とPRはどちらがおすすめ?】
広告は掲載内容、時間、ターゲットなどを企業側の裁量で決定できるため、より確実に成果を狙いたい場合に適しています。
一方、PRは社内外の関係性構築や信頼獲得に重点を置いているため、自社のファンになってもらうことで継続した関係性を築け、長期的な売上を見込めるでしょう。
広告とPR、それぞれのメリットや特徴を踏まえた上で、どちらを活用することでより効果的に目的が達成できるかを検討して選ぶことが大切です。
【広告会社(広告代理店)とPR会社の違い】
広告代理店は企業と情報発信が行われるメディアの間に入り、企業が発信する内容に関しての広告作成から実際に発信されるまでのプロセスに関わります。
PRと比べて費用はかかりますが、広告制作を行うために企画を立てたり、制作会社に依頼をしたりするので、適切な情報発信を行うことができます。
広告代理店の仕事は具体的に、商品発売の発表、テレビ・ラジオCM、広告の作成と出稿、店頭キャンペーンなどを広告として届けるといった内容になります。
短期間で認知度を上げることや、絞ったターゲットに届けるのが得意です。
PR会社は、広告代理店とは違い、企業の代わりになり、一緒になって活動することで、顧客に対しての信頼を勝ち取り、関係を構築する活動を行います。
情報の発信はメディアに担当してもらう形を取ることが一般的なので、場合によっては発信そのものの許可が降りないといったことが起こり得ます。
それは、メディアが報道したいと思う情報でなければ、情報が発信されないためです。
しかし、ほとんど多くのPR会社はメディアと仕事上のつながりをもっているため、メディアに情報を発信してもらうためのノウハウを豊富に蓄積しています。
PR会社を導入するためには、まず、どの会社に情報を発信してもらいたいかを決めます。
そして、消費者や関係各所といったメディアを含む第三者にどうすれば関心を持ってもらえるかを考えます。
興味を惹くことができれば、具体的にプレスリリースの作成などに取り掛かるという流れになります。
PR活動では、広告ほど費用をかけずに利用できる媒体もあるため、コストの面などで不安がある企業は、PR会社に相談してみるのも、一つの手でしょう。